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今回は、伝説の投資家ジョージソロス氏の名言「トレンド・イズ・フレンド」に着目し、上達しないトレーダーにありがちな3つの勘違いについてお伝えします。
勘違い1.相場にはトレンドとレンジがある。
トレンドを見つけて、押し目買い・戻り売り。
これ、トレーダーなら誰もが知ってる、ド定番の手法である。
相場は「数(枚数)の論理」で動くので、この手法の信者が多ければ多いほど、勝ちやすい。
トレンドに逆らわなければ、一時逆行したとしても、信じる者は救われる。
まさに、キング・オブ・手法、正直、聖杯レベルと呼べる。
トレンドの定義はシンプル。
高値と安値を切上げれば上昇トレンド発生。
高値を更新させた最後の安値(ラス押し安値)を下抜けば、上昇トレンド終了。
高値と安値を切下げれば下降トレンド発生。
安値を更新させた最後の高値(ラス戻り高値)を上抜けば、下降トレンド終了。
FREIENDには「共鳴者」という意味もある。
特に個人トレーダーが勝ち続けるコツは、いかに「共鳴者」を見つけるかがポイントなのだが、トレンドが発生すると共鳴者が次々と「バンドワゴン効果」で相乗りしてくるのがわかる。
さて、こんなわかりやすいトレンドフォロー手法なのに、うまくいかないのはなぜか?
そこに勘違いがある。
「相場には、トレンド相場とレンジ相場がある。」
「レンジ相場は難しく、トレンド相場はやさしい。」
このフレーズ、至る所でよく耳にすると思う。
ボク自身も、このコトバに惑わされた。
あたかも、レンジとトレンドが全く別物のように扱われているが、実際の相場は違う。
トレンドは大きなレンジの一部だったり、小さなレンジがトレンドの一部だったりする。
つまり、
「相場は常に、トレンドであり、レンジでもある」
むしろ、今ではこう思ってる。
「相場はレンジ、その一部にトレンドができる」
「このトレンドは、どのレンジのなかの動きだろうか」
こうすると、相場環境を俯瞰しながらトレンドを追え、レンジとトレンドの関係性をスッキリと整理できる。
トレンドフォローは決して難しくない。トレンドに乗りたいなら、むしろ、上位クラスのレンジを把握をすればいい。
勘違い2.事実と真実を一緒にしてる。
トレンドフォローを難しくしているのは「多次元空間(パラレル・スペース)」の存在だ。
水平方向の「時間」はX軸
垂直方向の「値段」はY軸
奥行方向の「次元」はZ軸
相場はXYZの3軸が三位一体となって動いている。
そして、Z軸の異なる次元が「フラクタル構造」をつくり、次元同志が影響しあうことで「不確実性」を生み出している。
XYZといえばシティハンター、あれは「もう後がない」という意味だが、相場もZ軸より先はないので、この3軸で相場の基本原理はマスターできる。
つまり、XYZを理解すれば、相場の値動きを、ほぼ説明できるようになれる。
X軸とY軸だけなら「面」の2次元空間だが、そこに、Z軸が加わることで「多次元空間」ができる。
そして、あなたの主観が、どの次元に存在するかで、チャートの解釈が変わる。
1時間の波とか、4時間の波とか、逆張りとか、順張りといった表現をされると曖昧に感じるのはそのためだ。
事実とは、XYZ軸のとある座標で起きた事象のこと。
真実は「とあるの事象」の解釈なので、正確にはトレーダーの数だけ存在できる。
ただし、最大公約数は、売り選好、買い選好、様子見の3つしかない。
事実とは、この3つの真実が競り合った結果の事象である。
買い選好者が多ければ上昇トレンド
売り選好者が多ければ下降トレンド
売り選好者と買い選好者が攻防すればレンジ
静観者が多ければ値動きが弱くなる。
事実はひとつだが、真実は大きく分けて3つある。
勘違い3.相場の都合に合わせる
4時間トレーダーと5分足トレーダーでは見てる世界が全く違うように、トレンド・レンジ・順張り・逆張りなんていうのは見てる次元による。
商品開発で大事なのは「ポジション(立ち位置)」を決めること、棲み分けというやつだ。
ソニーのゲームと任天堂のゲームは、大人向けとファミリー向けという風に棲み分けられているからこそ、お互いが生き残れる。
このようにしないと、ライバル商品との競争に勝ち残れない。
相場のことを「マーケット」ともいうが、トレードでもエントリーとは新商品を市場に投下するようなもの、自分のポジションを決めることが大切だ。
それには、主戦場を決め、どんな動きを狙うかを決めることです。
これをしないと、他のライバルトレーダーの動きに振り回されてしまう。
だが、意外にも、これができない人が多い。
マーケットのなかでの、商品のポジションが曖昧な状態で、販売開始したら売れ残るに決まってる。
マーケットに合わせるのと、流されるのは全く違う。
自分のポジションが決まらなければ流されてしまう。
マーケットが動いたり止まったりするのはマーケットの都合ではあるが、どこで待つかはトレーダーのポジションで決まる。
マーケットに合わせるとは、「自分のポジションで待つ」ということである。
ついでにいうと、トレードスタイルについても同じようなことがいえる。
遅かれ早かれ初心者トレーダーは、マーケットが多次元になってる事実に気づくことになる。
そこで、XYZ軸について本気で学ぶか、難しそうなのでお手軽に手法を探すかに分かれる。
多次元空間で起こる「ひとつの事実」について、3パターンの真実を分析できるようになれば、相場はシンプルなものにみえてくる。
ブログやユーチューブに「最近、チャートの見え方が激変した」とコメントを残す人がいますが、それは、これができるようになってる証拠だ。
ここに至りさえすれば、トレンドフォローやブレイクアウトといったド定番の手法だけで十分戦えるし、そこに、移動平均線などのインジケーターを「後のせ」することで、さらに精度を上がられる。
ここでまたひとつ誤解がある。
自分の頭脳より、ネットで売られてる手法のほうが賢いと思ってる。
正直、売ってる手法や、自動売買(EA)より、遥かにあなたの頭脳のほうが優れている。
エントリーしても良いところか、ダメなところか、どこまで狙えるか。
あなたの頭脳なら、きめ細やかな分析ができるが、手法やプログラムは、大きなピリオドの移動平均線などで、上位の次元のエッセンスでフィルターをかけることぐらいしかできない。
つまり手法やプログラムに「環境認識」は難しく、人の頭脳には遠く及ばない。
相場は生き物というが、生き物扱いして考えるには人の頭脳が適していると思う。
もちろん、システムトレーダーになるなら、それぞれのEAの特徴を捉え、弱点を補完していけばいいが、これは裁量トレードとは全く分野が違う。
ポジションを決めるには、捨てるものを選び、ひとつに絞り込むことだ。
あれもこれも欲しがっては、いつまでも立ち位置が決まらない。
この辺も、流される理由のひとつだと思う。
今日のまとめ
トレンドとは何か?
エリオット波動論、ダウ理論、移動平均線などなど、トレンドを測る手段はいくつもある。
トレンドとは次元と次元のスキマにできる指向性の強い波動と考えている。
つまり、相場の「空白」にトレンドが生まれる。
人には目標達成意識があるので、それがそのまま波に反映され、A地点からB地点に向かおうとする。
だからこそ、XYZ軸を意識して、上位クラスの次元を見ないと、空白が見つけられず、トレンドがどこで生まれて、どこへ向かって、どこでクライマックスを迎えるのか見当がつかない。
トレンドはフレンドというが、人は「環境」によって変わる。
余裕のある環境では友だったはずなのに、余裕がなくなると人は裏切る。
トレンドはフレンドというが、これも環境次第ということになる。
自然は空白を嫌う、相場も空白を嫌う。
◆お断り◆
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