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やはり出てきました、FRB関係者からの早期利下げ期待への牽制。
来年早期の米利下げ観測、FRB当局者2人が冷や水-市場をけん制
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-15/S5PNMVDWX2PS00?srnd=cojp-v2
・ウィリアムズNY連銀総裁、3月利下げについて話すのは「尚早」
・ボスティック総裁:来年の利下げは2回、開始は第3四半期
12月FOMCのボードメンバーらの予想中央値は、
2024年の利下げは3回でしたが、
金利先物市場では3月から利下げが開始され
24年中に6回の利下げが織り込まれています。
そもそも、FOMCでのパウエル議長のハト派発言に驚かされたマーケットですが、
そのスタンス変化の裏に何があったのかを訝しがる声も上がっています。
パウエル議長の発言に「当惑」の声、なぜ米金利の低下あおったのか
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-15/S5Q0WXDWX2PS00
なにか表面化していない米国のリスクをFRBは把握しているんじゃないか、とか
来年の大統領選挙に向けて民主党バイデン政権支援で株価をサポートする必要が
あるためではないかとか、色々に憶測を呼んでいるのですが、
NY連銀総裁がすぐさまパウエル議長の発言を否定するかの冷水。
しかも「FOMCで利下げ議論していない。」と発言しています。
前日FOMCの会見でパウエル議長は
「利下げは視野に入り始めている」
「今回のFOMC会合でも利下げの議論をした」と発言したのに。
これは豊島逸夫氏のポスト。
https://twitter.com/jefftoshima/status/1735794639167463648
そう、NY連銀総裁の発言は大きいのです。
NY連銀総裁はFOMC副議長でもあり、常任投票権を持つ議長の補佐役。
FOMC内が割れているということなら、これは深刻な事態で
「FRBに逆らうな」は「FRBを疑え」という市場の評価に繋がりかねないと豊島氏。
今後FRBによる市場との対話に信頼がおけないという認識が広がれば
マーケットの混乱を引き起こすリスクにもなりかねません。
幸いなことに、先週末のNY市場は
米国株が大きく崩れることも、ドル金利が急反騰することもなく
週末の取引を終えていますが、
まだ市場がそのリスクを織り込んでいないだけかもしれません。
週明けからの市場の反応に気をつけたいですね。
そして今週の注目は「日銀の金融政策決定会合」です。
日銀会合を世界が注視-マイナス金利終了、まだ先の見通し
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-16/S5S64NT1UM0W00
植田総裁の「チャレンジング」発言で
12月のマイナス金利解除思惑が急浮上しましたが
後日、日銀「関係者」らの発言として
12月の解除はないとのコンセンサスが広がりつつあります。
それでも、一部には1月のマイナス金利解除の示唆がある
との期待も残っています。
早期解除への示唆があれば、このまま円高のトレンドが継続する可能性が
大きいですが、解除もその時期の示唆もなく、
相変わらず「粘り強く緩和を継続する」の文言が繰り返されるようなら、
ドル円相場は一旦大きくリバウンドする可能性もあるでしょう。
現在保有するドル円ショート、コストは145.24円と143.90円。
200SMAを上回るようなら、コストの悪い方は一旦買い戻すこととします。
NY連銀総裁らから早期利下げ開始期待への牽制もあったことですし、
ここからのツッコミ売りは危険な気がします。
それでも151.90円が当面の高値だったと考えていますので
リバウンド後は戻り高値を売りたいですね。
そうそう投機筋の円ショートポジション、それなりに整理されていました。
※IMM通貨先物ポジション
11/14時点では13万枚もの円ショート(ドル円ロング)
ポジションが積み上がっていましたが
12/12の最新データでは8万1000枚までポジションが急減しています。
すでに5万枚近いポジション整理が起きていますが
まだ8万枚もの円ショートが残っています。
昨年22年は 10/22に10.2万枚あった円ショートポジションが
23年2月に向けて2万枚台まで減少しました。
8万枚のポジション整理です。
この時ドル円相場は151.90円から127円台まで24円も下落しています。
現在残っている8万枚もの円ショートポジション整理が続けば
ドル円下落はまだ続く、ということになりますが、
今週の日銀でいったん逆方向へ動くリスクにも備えなければなりませんね。
また、IMM通貨先物ポジションはあくまで
通貨先物に限定したポジション推移であり
為替市場全体を動かすものでもありませんのでその点はご留意ください。
あくまで、IMMポジションは投機筋の動向を読む一つの参考指標(象徴)ですが
今回円キャリー取引はこの通貨先物市場だけにとどまらず
あらゆるところで積み上げられてきたとの観測も多く
日銀の政策転換、ドル金利の低下など日米金利縮小のペースが
想定より早いということになれば、あらゆる円キャリー取引の
巻き返しが起きるという見方も少なくないということです。
それから、12月後半には上昇するシーズナリティがあるとしたユーロですが
先週末に急落しています・・・・
NY連銀総裁発言でドルに買い戻しの機運が高まったこともありますが、
先週は欧州圏のPMI(企業の購買担当者らの景況感を集計した景気指標)が悪かった。
ユーロ圏PMI、さらに悪化-景気後退入りの確率「極めて高い」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-15/S5PD1KT0AFB400
12月の総合PMIは47に低下、市場予想は48-7カ月連続で縮小領域
製造業・サービス業とも落ち込む、新規受注は大幅減
予想は小幅上昇で回復を見込んでいたのですが、
結果は前月の47.6から47.0へと低下。
景気判断の分水嶺となる50を7ヶ月連続で下回っています。
今年下期にリセッション(景気後退)に入った恐れを強める結果、
ということでユーロ売り優勢に。
ドイツPMIも悪化。
独総合PMI、12月速報は予想に反して悪化 経済縮小局面を示唆
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/JUAXFRI6RZMYFE5L2Q5J22WJEQ-2023-12-15/
先週のECB理事会ではラガルド総裁が利下げ期待を牽制したことでユーロが上昇
していましたが、欧州リセッション確実という中でユーロ買いは続かなかった・・・。
ん~12月後半のユーロ高のシーズナリティ、今年は当てはまらないか?
⬇先週のブログでも書きましたが再掲。
※ユーロドル、過去20年のシーズナリティ
※2015年以降の月足チャート。黄色の矢印が12月。
2016年以外8回中7回で12月はユーロ上昇。
下落トレンドにあっても、12月だけ上がっていたという年も多い。
ドルインデックスからみても、12月は中旬以降ドル売り傾向が強い。
※ドルインデックスの過去20年シーズナリティ
シーズナリティは毎年必ずそうなる、ということではないので
このままユーロが崩れるようなら
1.0889ドルのユーロドルロングはカットせねば。
木曜には1.10ドル台まで上昇していたので、
こんなに反落するとは思いませんでした(T_T)
今週はECB関係者らの発言機会が多いことに注意。
12月5日に、タカ派とされてきたシュナーベル専務理事によるハト派発言で
欧州の追加利上げ見通しが著しく低下するということがありましたが
更にハト派的発言が続けばユーロ下落圧力が強まるリスクか。
今週は海外勢がクリスマス休暇に入っているため著しく流動性が低下します。
基本値動きに乏しい展開となると思いますが、
なにかサプライズがあればボラティリティが急上昇するリスクは高いです。
あまり大きくポジションを取る時期ではないですね。
来週の主な予定
18日(月)
ブロードベント英中銀副総裁、イベント講演
ECB隔年会議・シュナーベル ECB 専務理事討論会参加
19日(火)
豪中銀議事録(12月5日開催分)
日銀金融政策決定会合、植田日銀総裁 記者会見
カナダ消費者物価指数(11月)
ブリーデン英中銀副総裁、国際金融協会(IIF)講演
ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会講演
レーン ECB 専務理事討論会参加
20日(水)
NZ半期経済報告
中国最優遇貸出金利(ローンプライムレート 1年・5年)
英消費者物価指数・生産者物価指数(11月)
米消費者信頼感指数(12月)
レーンECBチーフエコノミスト「ユーロ圏の見通し」講演
21日(木)
米GDP確報値(第3四半期)
22日(金)
日銀議事録(10月30日-31日開催分)
日本消費者物価指数(11月)
英小売売上高(11月)
米個人所得支出(11月)
米個人消費支出(PCE)価格指数 (11月)
クリスマス休暇に伴い英株式市場と米債券市場は短縮取引
レーン ECB 専務理事討論会参加
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Source: ひろこの“ボラタイル”な日々
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