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う~ん、またしても米雇用統計は驚きの強さ。
■米5月雇用、予想上回る27.2万人増 失業率上昇も賃金伸びは再加速
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/GO6UGYKRGJOGHED25T2RS7DM5I-2024-06-07/
NFP・非農業部門雇用者数は
予想が+18.5万人前後でしたが結果+27.2万人というポジティブ・サプライズ。
(ただ、3月4月の増加数は合計1.5万人下方修正)
時間あたり平均賃金は前月比+0.4%、前月の+0.2%から上昇でこちらも強い。
インフレが根強いことを示しています。
ただし、失業率は4.0%に上昇、前回の3.9%から悪化しました。
失業率の4%割の連続記録は27ヶ月で途絶えました。
失業率が悪化しているのに、雇用者数が増えているってどういうこと?
今回の雇用統計にもいろいろとツッコミどころは多くて
NFPの数字である「事業所調査」は+27.5万人でしたが
「家計調査」の数字は▼40.8万人です。
また、フルタイム労働者は▼60.2万人に対して
パートタイム労働者が+28.6万、複数職を持つ労働者が+1.6万。
これって素直に雇用統計強いと言えるのだろうか・・・?
ちなみにNFPと賃金データは企業調査からはじき出されますが
失業率は家計調査から作成されます。
内容はどうあれ、マーケットは強すぎるNFPと賃金上昇に反応。
ドル円はこの急上昇です。
※ドル円15分足
※ドル円日足
来週は6月FOMCが開催されますが、
今回はFOMCメンバーの経済金利見通しが出てきます。
前回3月のFOMCでは「年内3回の利下げ」を見通していると示されましたが
足元の市場では年内1回の利下げを織り込むのみとなっています。
※CME FED WATCH 金利先物市場折込度
利下げ開始時期は11月、年内利下げ折込は11月の1回のみとなりました。
やはり今回のFOMCでは3回の利下げの見通しは修正されるでしょう。
2回、もしくは1回へとメンバーの見通しが修正されることが
予想されますが、これはドル高要因ですね。。。
■FOMC、年内利下げ見通し後退させる公算-1回かゼロも
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-09/SESNY0T0G1KW00
零回てことはないと思いますが・・・。
中立金利が2.6%から上がるかどうかにも注目しています。
ここが上がっているようだと、ドル金利は長期的に下がらないということで
やはりドル高基調が強まると思われます。
ここというわけで、ドル金利は急反発。
※米国債利回り
このドル金利急上昇で 週末はドル独歩高です。
※通貨インデックス一覧
米国の長期金利が上昇すれば、世界の(主要国の)金利にも
上昇圧力がかかるというものですが、
週末の値動きを見ていると、円金利とNZ金利はあまり動いていません。
※主要国長期金利比較
週末、NZドルが意外と大きく崩れたのはこのあたりにヒントがありそうです。
ドル円、クロス円一覧
ドル円は上昇しているのに、クロス円は弱かった。
特にNZドルの下落幅が大きかったように思います。
ちなみにNZは中央銀行は、利下げの着手は
来年2025年第3四半期以降との見方を示しています。
オア総裁は5月RBNZ会合で「利上げが現実的な検討事項」だったと話しています。
インフレが強いため、利下げは来年Q3以降、ということで
足元で最も強含んでいた通貨でしたが、一気に下落しています。
こちらはドルストレート通貨
ユーロドルロングは、ちょっとづつ利が伸びていましたが、
雇用統計一発でポジション消滅。コストよりやや上に置いた逆指値ヒット。
基軸通貨ドルの政策の変化に比べれば
他の中央銀行の政策など豆粒のような影響しかないのね・・・。
米金利上昇で米国株はやや軟調となりましたが
大きく崩れるということでもなく。
※米国主要株価インデックス
ただ、ここから米株を買い上げる原動力は乏しいように思われます。
そうそう、週明けからNVIDIA株は10分割されますね。
NVIDIA1208ドルが120.8ドルになるということですが、
買いやすくなることで、更にNVIDIAに資金が集まるでしょうか?
それとも、分割によって半分利食いしようというような売りが出てくるか。
今週はNVIDIA株の動向にも注目です。
また、今週は日銀の金融政策決定会合ですが、
先週週初の段階では国債購入額の減額などが発表されるのではないか
との観測も出ていましたが、
⬇️これは6月4日火曜日の記事)
■日銀、早ければ今月会合で国債購入減額を具体的に検討も-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-04/SEJJB3DWRGG000
しかし、先週6日木曜日に日銀植田総裁が
「現実のインフレ予想はまだ2%に達するには少し距離がある。
インフレ期待は依然として2%を下回っている。
2%の物価目標実現には、インフレ予想が2%付近で安定的に推移することが必要。」
と発言し、拙速な金融政策変更の予想を冷やしたほか、
日銀中村審議委員が
「当面は現状の政策維持が妥当」
「今のタイミングで利上げは早い」
などと発言したことで、日本の長期金利は1%の大台を割り込んでいます。
日本の金利低下の背景には先週半ばまでの米金利低下の影響もありますが
週末、大きく米金利が反発したわりには
日本の金利はあまり上がっていませんでしたね。
※日本国債利回り
実際、今日銀が引き締めに動いても問題ないのか?
日本の1-3月期のGDPは前期比▼0.5%、年率▼2.0%です。
昨年23年7-9月期もマイナスでした。
GDPの半分以上を占める個人消費は▼0.7%、4四半期連続マイナスです。
GDPが遅行指標だ、というなら日本の産業の屋台骨である鉱工業生産。
4月速報値は▼0.1% (予想は+0.9%)マイナスです。
この数字はショックでしたね。
また先週発表された4月の毎月勤労統計調査
所定内給与は前年同月比2.3%増えたとはいえ、
実質賃金はまだマイナスです。
過去最長の25カ月連続マイナスを更新中。
これで利上げ?更に日本の景気は冷え込み
インフレへの好循環が止まってしまう、という声も少なくありません。
為替に配慮するというのは日銀の使命ではありません。
円安が加速しないように発言に配慮、というのはあるもしれませんが。
となると、今週の日銀ではコンセンサスになりつつある
国債買い入れ額の縮小がないかもしれない、
となれば、日銀後に円安が進行する可能性にも備えておく必要があるかも。
ただ、国債買い入れについては札割れが起きたこともあり
今回の減額の可能性はゼロではありません。
しかし、その場合も「予想されたこと」として
円高の材料にはならないような気がしています。
結局ドル円が下がるには、
ドル金利が大きく低下することが条件となるのでしょう。
今週のFOMCはその意味でとても重要です。
それと、FOMCの前にCPI,消費者物価指数が発表になりますね。
コアCPI予想は +0.3%(先月+0.3%)前月比 変わらずの予想
+3.5%(先月+3.6%)前年比 やや低下予想
総合CPI予想は +0.1%(先月+0.3%)前月比 低下予想
+3.4%(先月+3.4%)前年比 変わらずの予想
CPIが予想より大きく低下すればドル金利低下、ドル安です。
その後のFOMCがあるので、あまり大きく動けないかもしれませんが。。。
————————————-
クロス円の下落が気になります。
先週週初に大統領選の結果を受けて大きく崩れたペソ円、
週末は、更に下落しました。
※メキシコペソ円
さらにペソ円が大きく崩れるようだと
クロス円、ひいてはドル円相場にも影響が及ぶ可能性がありますので
ペソ円の動向には注目しておきたいですね。
NOTE
■世界のファンドマネジャー、中国への投資再開-政策巡るリスクはらむ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-07/SEOR3OT1UM0W00
5/20以降上昇が止まっていますが、押し目なんでしょうか?
私は中国株には投資していません。
※上海総合と香港ハンセン指数
■MUFGと三井住友FGがトヨタ株売却へ、1兆3000億円-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-07/SELBXPT1UM0W00
2社のトヨタ株保有総額は時価で1兆3200億円。
政策株をゼロにする方針を打ち出している損害保険会社4社の保有分を含めると、
合計で3兆2000億円を超える規模のトヨタ株が売却されることになる。
(足下の時価総額の6%を超える規模)
■持ち合い解消加速、株主総会は真剣勝負に-メガ2行トヨタ株売却方針
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-08/SEMTDGT0AFB400
日本独特の持ち合い株解消によって、捻出された資金の使い道が重要。
設備投資、増配などへの期待。
売られる側としては安定株主を失うことで、より広範の株主からの要求に
応える姿勢が問われる、ということで株主利益につながる経営が求められる、
とあって、株主からみれば悪いことではありません。
■あるべき企業統治(上) 株式持ち合い解消、業績に益
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO80141580Z10C24A4KE8000/
・政策保有株式を多く持つ企業では利益率の安定性や成長性といったメリットを
享受することなく、低利益率である
○政策保有株式の多い企業は利益率が低い
○企業家精神の欠如や過剰な事前調整招く
■中国人民銀の金保有、5月に増加止まる-1年半続いた金購入終わる
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-06-07/SEPAL3T0AFB400?s=09
・人民銀が保有する金地金は5月時点で7280万トロイオンスと、前月と変わらず。
・中国が準備資産としての金購入を見送ったのは2022年10月以来
週末はこの報道でゴールドが大きく売られる局面が。
ゴールドは5月史上最高値圏にありましたから
単純に今は高いから買いを手控えただけだと思いますが、
ここまで金利高環境でも金が強い材料として中国人民銀行の買いなどが
広く指摘されてきたこともあり、足元では利食いによる手仕舞いで
金が大きな調整を強いられるかもしれませんね。
*********今週の主な予定**************
6/10(月)
●1-3月期 GDP 改定値(8:50)
●5月景気ウォッチャー調査(14:00)
●中華圏、端午節
●米NY連銀調査1年インフレ期待(5月)
●米アップル社のイベント(WWDC)開催(〜14日)
●休場:中国、香港、台湾、豪
11(火)
●5月マネーストック(8:50)
●5月工作機械受注(15:00)
●新規上場:D&M カンパニー(189A グロース)
●FOMC(〜12日)
12(水)
●5月国内企業物価指数(8:50)
●日銀国債買い入れオペ(残存1-3年、3-5年、5-10年、25年超)
●中国 5月生産者物価(10:30)
●中国 5月消費者物価(10:30)
●インド 5月消費者物価(21:00)
●米 5月消費者物価(21:30)
●6月FOMC
●米 5月財政収支(13日 3:00)
13(木)
●4-6月期法人企業景気予測調査(8:50)
●G7 サミット・拡大会議(〜15日イタリア)
●米 5月生産者物価(21:30)
14(金)
●日銀金融政策決定会合~植田日銀総裁会見
●4月第三次産業活動指数(13:30)
●メジャー SQ 算出日
●米 5月輸出入物価(21:30)
●米 6月ミシガン大学消費者マインド指数(23:00)
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Source: ひろこの“ボラタイル”な日々
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